k i s s   o f   c l o u d

 

 

      「〜」

      けだるそうな声を出すそいつに背後から抱き締められる。

      否、覆い被さってきたと言った方が適当かもしれない。

 

      小さい頃から祐希は私にひっつくのが好きだった。

      悠太ほどではないけれど、私は祐希のお守り役。

      好きって気付いたのはいつからだろう。

      年頃になってもこうゆうスキンシップに抵抗が無くてむしろ嬉しい、

      なんて思ってしまう自分がいる事に気付いたのはいつからだろう。

 

      「ね、

      祐希が身を乗り出してきて、二人の顔が並んだ。

      耳元で優しく囁かれると鼓動が早まる。

      こんなにドキドキしてるのはきっと私だけ。

      そう思うとなんか悔しいなあ。

      「キスしよ」

      右の頬に吐息がかかる。

      かすめるように祐希の唇を感じた。

      首を回すとそれが柔らかく重なる。

      祐希のキスはいつもふわふわしてるんだ。

      雲みたいに、綿みたいに。

      それが心地好くて「もう一回」とねだってみたら

      「まあまあ、欲張りですこと」

      よく分からない言葉遣いと要望通りの同じキスが返ってきた。

      角度を変えてもう一回、二回、三回、四回目に入ろうとしたその時。

      ガチャリという定番の音を発ててドアが開いた。

      そこにいたのは

      「あ、悠太」

      「…ごめん邪魔して。ごゆっくり」

      開かれてから10秒も経たずに閉められるドア。

      スリッパの音が遠退く。

      「愛しの悠太が行っちゃったよ」

      ほんの少し上目遣いでそう言うと

      「いいのいいの」

      相変わらずの無表情で返される。

      「今はの気分だから」

      てことは私より悠太の気分のときもあるわけね。

      彼の兄に若干のジェラシーを覚えつつ、私は次のキスを待って瞳を閉じた。

 

      ・・・・・・・・・・・・・

      君と僕。大好きです!

      特に双子が…!!

      2009.02.08


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