貰いたいのは一人だけ

























御台場中学校2年生のとある人物の下駄箱の周りに、
多くの女子生徒達が集まっていた。

「あっ!太一先輩だ!!」
「太一先輩貰って下さい!!」
「太一君貰って!」
「八神君!私のもっ!!!」

そう言って登校してきたばかりの太一に、次々にチョコを渡していく。

「おぅ、サンキュ」

ソレを少し困ったように受け取る太一。
太一はどの学年からも人気がある。
おそらく、明るい性格とサッカー部での活躍の為だろう。


その様子を、 は後ろからずっと見ていた。







「凄い数ね、今年も」
「まぁな」

同じクラスの空は、太一のチョコの量を見て驚いた。
手提げ袋2つから溢れ出るほどである。
そこに が来た。

おはよ!」
「おはよ、空」
「よぅ!」
「・・・・・・おはよ」

明らかに空と太一に対する態度が違った。

「あーぁ。 怒ってるわよ?」
「何でだよ?」
「相変わらず鈍感ね。
 そんなにチョコ貰ったら、怒るに決まってるじゃない」
「ゔっ・・・・・・」

この後、太一は授業中一言も に話してもらえなかった。















昼休み。
しびれを切らした太一は、 に聞いた。

、オレにチョコないの?」
「そんなに貰ったらいらないでしょ」

の視線が痛かった。

「あ、あの、八神先輩・・・・・・」

教室に後輩らしき女子生徒が入ってきた。

「何か用?」
「はい。あの、コレ、貰って下さい!!」

女子生徒は太一にチョコを押し付けて走って行った。
その時、太一は の視線を感じた。

「・・・・・・太一にあげられるチョコあった」
「え!?本当っ!!?」

と言って振り向いた瞬間、顔に何か当たった。
床に落ちたソレは、ポッキーの箱。
が投げつけたのだ。

「いってぇ・・・・・・・・」
「・・・・・・太一のバカっ」

そう言って は、太一にあげるはずのチョコを持って
教室を出ていってしまった。

「待てよ っ!!」

太一も教室を出ていった。




















2人が行った先は屋上。
以外と の足は速く、太一が屋上のドアを開けると、
屋上の隅で膝を抱えて座っていた。
太一はゆっくり に近づき、隣に座った。

「・・・・・・
「・・・・・・・・分かってるよ、自分が我が侭だってことぐらい・・・・・・」

ようやくまともに喋ってくれた。

「でも・・・・・・太一が女の子にたくさんチョコ貰ってるところ見たら何か・・・・・・」

膝に額をくっつける を、太一は抱き締めた。

「お前が泣く場所はココ」

は太一のブレザーを握り締めて抱き返した。

「ごめんな、

特に言い訳はしなかった。
言い訳したらいけない気がしたから。
そんな太一の問いに、 は首を振った。










「・・・・・・チョコ、いる?」

暫くして下を向いたまま、 が聞いた。

「オレがチョコを貰いたいのは だけだぜ?」

そう言って、太一は の顔を上げさせるとキスした。

「・・・・・・うん」

やっと笑ってくれた。





貰いたい人は一人だけ。
あげたい人は一人だけ。



これから毎年、貰えるかな?
これから毎年、あげられるかな?



2人とも口には出さないけど、
このよく晴れた空に幸せを願った。









 
 
 
 
 
 
 
 

 




相互リンクしてくださっている
CUBE
の月哉様から頂いてきた太一さんのバレンタインフリー夢です☆
もちろん私も名前を入れて読んでみたのですが・・・・・・
もぉ最高!!!の一言ですなww
特に「お前の泣く場所はココ」ってっ!!!!!(鼻血
かっこ良すぎ&優しすぎです太一さん!!
そんなあなたが大好きです太一さん!!
こんなバリかっこいー太一さんを書ける月哉様を尊敬します。本当に!

月哉様、素敵フリー夢本当にありがとうございました!

 

 

※月哉様(星月ソラ様)の素敵サイトは閉鎖されました。

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