同じ場所
 
同じ空気
 
同じ時…
 
 
 
 
 



願いのカケラ
 
 
 
 



「じゃあこっちは任せといてください。」
「お願いします。…いい子にしてるのよ?2人とも。」
「「うん!!」」
彼等の今回の任務は、彼等からしてみれば素晴らしくレベルが低い物だった。
「任務とはいえ…、まさかこの年でベビーシッターやるなんてね〜。」
任務は、星降る里と言う名で有名な町の町外れの原っぱの中に立っているこの家の主からの依頼で、子守だった。
「テンテン、赤ちゃんじゃありませんよ?あの子達は。」
「たとえよ、たとえ。じゃあリー、ネジ、あの子達の相手よろしくね。外で遊んでて。私は部屋片づけてくる。」
「あぁ。」
「…あ、やっぱり変えようか?リーはともかく…ちゃんと相手してあげられる?ネジ。」
テンテンはこういう事が如何にも苦手そう(テンテン談)なネジにからかい半分で聞いてみた。
もちろん帰ってくる言葉も予想して。
「お前、オレを馬鹿にしてるのか?」
「もちろん。」
「…いいからお前もさっさとやれ、テンテン。」
 
 
 
 
 
 
 
 
テンテンは片付けをしながら、ふと外を見た。
『変わったよね…、ネジ。』
テンテンは内心最近のネジの変化に驚いていた。
『随分柔らかくなったな〜、性格。口から出てくるセリフは相変わらずだけど。』
そんな彼に自分が惹かれている事にテンテンは最近気づいていた。
初めはそんなはずはないと否定したが、考えれば考えるほどに否定出来なくなっていた。
『…元々はあんな感じだったのかも…ね。
…っていけない、仕事しないと馬鹿にされるっ。』
テンテンは再び片付けを始めた。


「ネジ、リー。もう寝かせちゃうから連れてきていいわよ〜。」
「はい、今連れていきますね!!」
「お姉ちゃん、ままもうすぐ帰ってくる?」
「うん、お昼寝して起きる頃には帰ってくるよ。お母さん。」
「ほんとぅ!?」
「うん。」
「じゃあ早く寝なきゃ!」
2人の兄弟は片づけられた部屋に敷いてある布団に飛び込んだ。
「じゃあここからは私が見てるね。お疲れ様、2人共。」
テンテンは笑いながらそう言うと、部屋に入ってドアを閉めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
数時間後。
「遅くなってしまってすみません、子供達何してますか?」
依頼主が帰ってきたときまでテンテンは一回も外にはでていなかった。
「多分寝てますよ、子供部屋で。」
「そうですか…。あら?もう一人のお嬢さんは?」
「テンテンが2人を見てる…………」
ネジはドアを開けるのと同時にそう言ったが、そこで止めた。
「…あら…。」
「テンテンまで寝ちゃってますね。…ネジ?どうかしたんですか??」
「い、いや。全く、子守どころかテンテンもあいつらと一緒だな。」
ネジはかすかに大きくなった心臓の鼓動を抑えた。
「じゃあ、とりあえず任務はこれで終わりでいいですね。」
「えぇ。ありがとうございました。」
「それではネジ、テンテンをお願いしますね。今回は僕が報告書の番ですから。」
「そうだな。オレはテンテンを送ってから帰る。」
「では!」
そう言うとリーはあっという間に走り出した。
ネジはそれを見送ってから、寝ているテンテンを見た。
『…はぁ、全く…。忍の癖に無防備過ぎだ。』
そして、テンテンを起こそうとしたが、テンテンは全く起きる気配がない。ネジはため息をつくと、テンテンを抱えた。
「じゃあオレもこれで。テンテンが迷惑をかけた。」
ネジはそのまま玄関をでて草原を歩き出そうとした。すると、
 
「この時期はゆっくり歩いて帰るのもいいですよ。七夕の次に星が綺麗な時期ですから。
…お嬢さんも起きてたらよかったですね。」
 
何か意図があったのかそれともただ教えてくれただけなのかネジには分からなかったが、とりあえず歩き出した。

 
 
 
 
 
 
 

 
しばらくしてネジはふと立ち止まり、眠っているテンテンを見た。が、途端にテンテンが目を開けた。
 
 
 
 
『『なっ……!!!??///』』
 
 
 
「何っ!?なんでネジが私抱えてるの!?しかもここどこ!??///」
「テンテン!おい、暴れるな!!///」
「え!?きゃあっ!!」
ネジとテンテンはそのまま草村に倒れ込んだ。
「……;;;」
「…いったぁ…ってご、ごめんっ!!ネジ、今退くっ!!///」
テンテンは自分がネジの上に乗っていることに気がつくと、慌てて飛び退いた。
「いや、怪我はなかったか?テンテン。」
「うん。大丈夫。…私、寝ちゃってたんだ;;」
「あぁ。もう任務は終わった。今リーが先に報告書を出しに行っている。」
「そっか。」
そこでテンテンは空を見上げ、歓声を上げた。
「わ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!キレ〜〜〜〜〜っ!」
「そうだな。」
 
 
星降る里はその名の通り、流れ星が降ってくるように見える里からきている。
晴れていた空は文句なしの満天の星空だった。
テンテンにつられてネジも座りなおしてから空を見上げた。

 

「…ねぇ、ネジ。」
「なんだ…?」
テンテンはネジを見るとにっこり笑った。
「…やっぱりなんでもない!」
「…?」
「あっ!流れ星!!お願い事しなきゃ!!ネジは何かないの!?」
「オレ…か?」
「うん!次の奴にお願い事しようよ!!」
その時、口にしたのはテンテンだけだったが、2人の思いは確かに重なっていた。
 
 
 
 
 
 
…今、ネジと一緒にいられるのが嬉しい。
だから…もう少しだけネジと…

 
 
 
 
 
 
 
…コイツが傍にいるだけでいい。
だから…もう少しだけ…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


「このままでいられますように。」
 
 
「!」
「あれ?ネジは願い事しなかったの!?」
『ま、まずい!口に出しちゃった!?///』
「あ、いや、一応したが…。」
「ずるい!何にしたの!?教えてよ!!」
「安心しろ、おまえの程くだらなくない。」
ネジが素直に「同じだった」など口にするはずもなかった。
そのせいでテンテンは必死でカバーした。
「くだらなくない!!ネジの方が絶対くだらなくない事だわ!」
「知らないくせにいえるのか?」
「あ〜もぅっ!!とにかくっ!」
「分かったわかった。いいから帰るぞ。テンテン。」
「え、ちょっとまって!もう1つお願いしたいことがあるからっ!」
「願い事っていくつもするものなのか…?」
「いいから黙ってて!」
テンテンは空を見上げて願った。
「よしっ…と!行こっ!!」
「今度は声にだして言わないのか?」
「うん!これは言わなくても叶うといいことなんだ。…っていうより自分の努力も必要だからね。」
「…??」
テンテンはにっこり笑った。
 
 
…ネジが私のこと好きになりますように。
 
…私と同じくらいすきになりますように。
 
…ネジが私のこと大好きになりますように!
 
 
 
 
 
 
 
 
 



同じ場所

 
同じ空気
 
同じ時
 
そして重なる想い…
 

小さな流れ星は、素直じゃない2人の願いを乗せて輝き続ける。
 
 
 
END
 
 
 
 
 
琥珀流風ちゃんから頂いた誕生日プレゼント第2弾です!!
もぉ〜‥これどうしましょう???
ネジがネジがネジが!!!!!
テンテンの寝顔見てドッキドッキドッキドッキしちゃってるんですよ!!
かわいすぎて殴りたい!!!
肩をバッシバッシと叩きたい!!!(やめぃ
「…ネジが私のこと大好きになりますように!」
大好きどころか愛してますから!って言いたくなりますね!(*´∇`*)
気付いてないテンテンがホント可愛いですww
最高にかわいらしいネジテンをありがとう!!
絵まで貰ってしまって…感謝のしてもしつくせないよ(>_<)
すっごく嬉しかったです!!
なんだか貰ってばっかりなダメ女ですが(ホントにな)これからもどうぞよろしくね!♪
 
 
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