淡 い ブ ル ー

 

 

      中学一年の初夏。

      だいぶ中学校生活に慣れてきた頃の事だった。

      俺とヤマトは同じクラスで、この日も教室でだべっていた。

      そこに来たのは仲の良いクラスメイト。

      なにやら興奮した様子で俺達の方へ近づいてくる。

      「八神、石田!お前ら六組の武之内知ってるだろ!?」

      「?ああ」

      「あいつさっき隣のクラスの奴に告られてたぞ!」

      思わず隣にいたヤマトと顔を見合わせる。

      口が開いた間抜けな顔。

      俺もきっと同じ顔してる。

      「…告られた?」

      「…空が?」

      俺の言葉にヤマトも信じられないといった表情で続けた。

      空のそんな色恋沙汰は初めて聞く。

      噂をすればなんとやらで、当人が教室の前を通るのが見えた。

      気が付くと俺は名前を呼んでいて、目を真ん丸にした空が顔をこっちに向ける。

      何か思いにふけっているような、そんな顔に見えたのは俺だけか?

      「おい!お前隣のクラスの奴に」

      「うわっ!よせ馬鹿!」

      ヤマトが慌てて俺の言葉を遮る。

      ヤマトの手の平が勢い良く張りついてきたもんだから唇を中心に鈍い痛みが広がった。

      無理矢理手を引き剥がすとヤマトが冷や汗をかいている。

      視線の先を追った瞬間俺も思ったんだ。

      やべぇって。

      「大声で…」

      両脇に作った拳が震えてる。

      目ぇ釣り上がってるし!

      「何考えるのよ、馬鹿っ!!」

      さっきの俺より全然でかい声でそう言うと、空は荒々しい足取りで姿を消した。

 

      直後俺はヤマトにたっぷり説教された。

      確かにあんな公の場でああいう事聞くのは良くなかったよな、うん。

      クラスまで行って謝ろうとしたけどすっかり怒っちまって相手にしてもらえず。

      帰ったら電話してみっか。

      それにしても、男から告白されるとはなぁ。

 

      「あいつも女なんだな」

      「…だな」

 

      ・・・・・・・・・・・・・

      これ太空ヤマ?汗

      2009.02.02

 

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