すやすやと眠る子供たち。

     昼間訪れた遊園地ではしゃぎ疲れたのだろうか。

     ちょっとやそっとの物音では起きそうにないくらい熟睡している。

     そんな我が子を上から覗き込んでいた空がふと可笑しそうに口元を緩めた。

     「この子たち寝顔がほんとに太一そっくり」

     「ええ、そうかあ〜?」

     同じように子供を覗き込んでいた太一がさらに顔を近付け、寝顔をまじまじと見つめる。

     今まで自身の寝顔を見たことはなかった。

     空は昔から子供の寝顔は太一似だと言い張っていたが、

     この天使のような顔が自分の寝顔に似ていると思うと

     太一はなんとなく気恥ずかしい気持ちになった。

     「それにしても子供って元気だな」

     もうくたくただぜ。

     我が子から目を放し、その場にどっかりと座り込んだ。

     昼間散々息子達に振り回された疲れが今更になって出て来たようだった。

     ふう、と一息ついた太一を空はくすくすと笑う。

     「もうすっかりおじさんね」

 

     「私達にもこうゆう時代があったのよ」

     空もぴかぴかに掃除されたフローリングの上に腰を降ろす。

     幼かった自分。

     あっという間に中学、高校、大学と進学しいつしか大人になった。

     子供の頃には遠かった"大人の自分"。

     かつての"理想"に果たして自分は近付けているのだろうか。

 

     空は太一の右肩に頭を預けた。

     その肩に小学生の頃のか弱い面影は残っていない。

     ほどよく筋肉のついた大きな肩には安心して寄り掛かる事が出来た。

     「今度は私の相手してくれる?お父さん」

     にっこりと笑う空。

     「…うちにこれ以上子供はいねえぞ」

     太一は片方の眉尻を下げ、口の先端を上げた。

     床についた手と手が重なり、唇が触れ合う。

     幾度も、幾度も。

     子供がいてお互いがいる。

     二人はそんな"今"が好きだった。

 

     ・・・・・・・・・・・・・

     結婚して一生ラブラブでいてほしい!

     子供は二人いてほしい!(個人の妄想)

     2008.10.28

 

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